「NISAのつみたて投資枠で何を買えばいいの?」と悩んで、なかなか投資を始められていない方は多いのではないでしょうか。ファンドの数が多すぎて、どれを選べばいいのか迷ってしまう気持ちはよくわかります。
結論から言うと、つみたて投資枠のファンド選びは「全世界株式型」か「米国株式型」の1本を選ぶだけでOKです。複雑に考える必要はありません。積立設定は一度やってしまえば、あとは毎月自動で買い付けてくれるので放置するだけです。
この記事では、つみたて投資枠で選べるファンドの分類から、具体的な選び方のポイント、積立設定の手順まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

つみたて投資枠で選べるファンドの分類
まずは、つみたて投資枠で選べるファンドの種類を把握しておきましょう。大きく分けると以下の6つに分類されます。
| 分類 | 投資対象 | リスク | 期待リターン |
|---|---|---|---|
| 全世界株式型 | 世界中の株式 | 中 | 年5〜7% |
| 米国株式型 | 米国の株式 | 中 | 年6〜8% |
| 先進国株式型 | 先進国の株式 | 中 | 年5〜7% |
| 新興国株式型 | 新興国の株式 | 高 | 年5〜9% |
| 日本株式型 | 日本の株式 | 中 | 年4〜6% |
| バランス型 | 株式+債券 | 低〜中 | 年3〜5% |
種類が多くて迷いそうですが、投資初心者の方は「全世界株式型」か「米国株式型」のどちらかを選べば間違いありません。この2つは多くの投資の専門家も推奨している鉄板のファンドタイプです。
全世界株式型を選ぶ理由は「世界全体の経済成長に乗れること」と「一つの国に集中するリスクを避けられること」です。米国株式型を選ぶ理由は「過去の実績において高いリターンを記録していること」です。どちらを選んでも長期的には大きな差にはなりにくいので、直感で選んでも問題ありません。

ファンド選びで見るべき3つの指標
ファンドを絞り込むときに確認すべき3つの指標を紹介します。この3つを押さえておけば、ハズレファンドを掴むリスクを大幅に下げられます。
1. 信託報酬(運用コスト)
信託報酬は投資のリターンを確実に削るコストなので、できるだけ低いものを選ぶのが鉄則です。毎日自動で差し引かれるため、普段は意識しにくいですが、年0.1%と年0.5%では長期で見ると数十万円の差になります。
全世界株式型であれば、信託報酬が年0.05〜0.15%程度のファンドが出ています。同じ指数に連動するファンド同士なら、信託報酬が低いほうを選ぶのがセオリーです。
2. 純資産総額
純資産総額はファンドの規模を表す数字です。あまりに小さいと運用が安定しませんし、最悪の場合は繰上償還(ファンドが強制的に終了すること)になる可能性もあります。
目安として純資産総額が100億円以上あるファンドを選んでおけば安心です。人気のあるファンドは数千億円〜1兆円を超える規模になっており、運用の安定性は申し分ありません。
3. トラッキングエラー
トラッキングエラーとは、ベンチマーク(指数)との乖離率のことです。インデックスファンドは指数に連動することが目的なので、この数値が小さいほど優秀なファンドと言えます。
ただし、大手運用会社のメジャーなファンドであればトラッキングエラーはほぼ問題になりません。信託報酬と純資産総額を確認すれば、初心者の方はトラッキングエラーまで気にする必要はないでしょう。
積立金額と頻度の決め方
毎月積立と毎日積立、どちらがいい?
証券会社によっては毎日積立の設定もできますが、長期のシミュレーションでは毎月積立と毎日積立でリターンに大きな差はないことがわかっています。管理のしやすさを考えると毎月積立で十分です。
ボーナス月の増額設定も活用しよう
ボーナス月に積立額を増やす設定もできます。つみたて投資枠の年間上限である120万円をフル活用したい方は、毎月の積立に加えてボーナス月に増額設定をするのも一つの方法です。

3つの積立パターン
自分に合った積立パターンを見つけましょう。以下の3つが代表的な方法です。
- シンプル型:全世界株式を1本だけ。管理が楽で分散も自動でできる(最もおすすめ)
- 2本立て型:全世界株式70%+米国株式30%。米国への配分を少し増やしたい方向け
- バランス型:株式ファンド80%+バランスファンド20%。リスクを少し抑えたい方向け
おすすめは圧倒的にシンプル型です。1本にすれば管理も楽ですし、全世界株式の中で自動的に地域分散がされています。「どれを選べばいいかわからない」と悩むくらいなら、全世界株式型1本に絞ってしまうのが最も合理的な選択です。
積立投資のやってはいけない3箇条
積立投資で失敗するパターンは決まっています。以下の3つを避けるだけで、成功の確率が大幅に上がります。
- 相場が下がったからと積立を止めてしまう:下がったときこそ安く買えるチャンスです。積立投資の最大のメリットはドルコスト平均法による買付単価の平準化なので、淡々と続けることが何より大切です。
- 短期間で利益確定してしまう:NISAの非課税メリットは長期保有で最大化されます。少し値上がりしただけで売ってしまうのは非常にもったいないです。
- 似たようなファンドに分散しすぎる:全世界株式型を3本持っても分散にはなりません。管理が面倒になるだけなので、1〜2本に絞りましょう。
特に注意したいのが1つ目の「相場が下がったときに積立を止めてしまう」というパターンです。過去のデータを見ると、暴落時にも積立を続けた人のほうが、止めてしまった人よりも長期的に良い成績を残しています。怖くなっても淡々と積立を続けることが、積立投資で成功するための最大のコツです。

積立設定の具体的な手順
実際の積立設定は非常にシンプルです。10分もあれば完了します。
- 証券会社にログイン
- 「投信」メニューから「積立注文」を選択
- 積み立てたいファンドを検索して選択
- 積立金額を入力
- 積立日(毎月何日か)を設定
- 引落方法(銀行口座 or クレカ)を選択
- NISA口座(つみたて投資枠)を選択
- 注文内容を確認して確定
一度設定してしまえば、毎月自動で買い付けてくれるので手間はかかりません。積立投資の魅力は「放置できること」にあります。設定後は毎月の残高を確認する程度で十分です。
よくある質問
Q. 積立金額はいくらから始められる?
証券会社によりますが、100円から積立設定が可能な会社が多いです。最初は少額から始めて、慣れてきたら金額を増やしていくのもよい方法です。
Q. 途中で積立金額やファンドを変更できる?
いつでも変更可能です。積立金額の増減も、ファンドの切り替えも自由にできます。ただし、既に購入したファンドを売却して別のファンドに乗り換える場合は、売却益に対する税金の扱いに注意が必要です(NISA口座内なら非課税)。
Q. 積立を一時停止することはできる?
できます。家計の状況が変わった場合など、いつでも積立の一時停止・再開が可能です。ただし、可能な限り止めずに続けることが長期投資のリターンを最大化するポイントです。
まとめ:シンプルに始めて長く続けることが最大のコツ
- ファンド選びは全世界株式型か米国株式型の1本でOK
- 信託報酬が低く、純資産総額が100億円以上のファンドを選ぶ
- 毎月積立で十分。毎日積立との差はほぼない
- 相場が下がっても積立を止めないことが最重要
- 設定は10分で完了。一度設定すればあとは放置でOK
積立投資で一番大切なのは「早く始めて長く続けること」です。ファンド選びに時間をかけすぎて投資を始められないのが一番もったいないので、まずは鉄板ファンドで積立設定を済ませてしまいましょう。
つみたて投資枠の対象商品リストは金融庁のNISA対象商品一覧で確認できます。投資信託の仕組みについて詳しく知りたい方は投資信託協会のサイトを参照してください。積立投資のシミュレーションは金融庁のつみたてシミュレーターで試してみましょう。



