高配当株に投資したいけれど「個別銘柄の分析が難しい」「分散投資するには資金が足りない」と感じている方には、高配当ETFがおすすめです。ETFなら1本買うだけで数十〜数百の高配当銘柄に分散投資できます。
しかし、高配当ETFにもさまざまな種類があり、どれを選べばよいのか迷ってしまうのが正直なところです。米国の人気ETFであるVYM・HDV・SPYDはそれぞれ性格が異なりますし、日本の高配当ETFにも複数の選択肢があります。
この記事では、日本株・米国株それぞれの高配当ETFを比較しながら、特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。自分に合った高配当ETFを見つけるための参考にしてください。

高配当ETFとは?投資信託との違い
ETF(上場投資信託)は、株式市場に上場している投資信託です。通常の投資信託と異なり、株式と同じようにリアルタイムで売買できます。
| 項目 | 高配当ETF | 高配当投資信託 |
|---|---|---|
| 売買方法 | 株式と同じ(リアルタイム) | 1日1回の基準価額 |
| 最低購入額 | 数千円〜数万円 | 100円から |
| 信託報酬 | 一般的に低い | ファンドによる |
| 配当の受取 | 現金で受取 | 再投資型が多い |
| 積立設定 | 証券会社による | 自動積立が容易 |
高配当ETFの最大のメリットは、配当金を現金で受け取れることです。配当金が口座に入金される体験は、投資のモチベーション維持にもつながります。
米国高配当ETFの比較:VYM・HDV・SPYD
米国の高配当ETFといえば、VYM・HDV・SPYDの3つが定番です。それぞれ特徴が異なるため、違いを理解した上で選びましょう。
3大高配当ETFの比較表
| 項目 | VYM | HDV | SPYD |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | バンガード・高配当株式ETF | iシェアーズ・コア米国高配当株ETF | SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF |
| 運用会社 | バンガード | ブラックロック | ステート・ストリート |
| 銘柄数 | 約450 | 約75 | 約80 |
| 配当利回り | 約2.8〜3.2% | 約3.5〜4.0% | 約4.5〜5.5% |
| 経費率 | 0.06% | 0.08% | 0.07% |
| 特徴 | 安定成長型 | 財務健全性重視 | 高利回り重視 |
VYM(バンガード・高配当株式ETF)
VYMは約450銘柄に分散投資する最も幅広い高配当ETFです。配当利回りは3%前後と控えめですが、株価の値上がり益(キャピタルゲイン)も期待できるバランス型のETFです。
セクター構成は金融、ヘルスケア、消費財など幅広く、特定のセクターに偏っていません。長期でS&P500に近いパフォーマンスを出しつつ、配当利回りがやや高いという特徴があります。
VYMは「配当もほしいけど値上がりも狙いたい」という方に最適です。3大高配当ETFの中で最もバランスが取れており、初心者が最初に選ぶならVYMがおすすめです。
HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)
HDVはブラックロックが運用する高配当ETFで、財務の健全性が高い企業を厳選して約75銘柄に投資します。エネルギー、ヘルスケア、通信セクターの比率が高いのが特徴です。
VYMよりも利回りが高く、SPYDよりも銘柄の質が高いという「中間的」なポジションにあります。ディフェンシブな銘柄が多いため、不況時にも比較的底堅い値動きをする傾向があります。
SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)
SPYDはS&P500の中から配当利回りが高い上位80銘柄に均等に投資するETFです。配当利回りは4.5〜5.5%と3つの中で最も高いのが魅力です。
ただし、金融・不動産セクターの比率が高く、景気後退時には大きく下落するリスクがあります。実際にコロナショック時にはVYMやHDVと比べて下落幅が大きくなりました。

米国高配当ETFの選び方ガイド
3つのETFをどう使い分けるか、投資スタイル別にまとめました。
- 安定成長重視(初心者向け):VYMをメインに据える
- 配当収入最大化:SPYDをメインにして、HDVでリスクを緩和
- バランス型:VYM50% + HDV25% + SPYD25%
- ディフェンシブ型:HDVをメインにして不況耐性を高める
3つのETFを組み合わせることで、利回りの高さと安定性のバランスを自分好みに調整できます。
日本の高配当ETF
日本株にも高配当ETFがあります。主要なものを紹介しましょう。
| 銘柄 | コード | 配当利回り目安 | 銘柄数 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| NEXT FUNDS 日経平均高配当株50 | 1489 | 約3.5〜4.5% | 50 | 日経平均から高配当50銘柄 |
| NEXT FUNDS 野村日本株高配当70 | 1577 | 約3.0〜4.0% | 70 | 70銘柄で分散性が高い |
| iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り | 1478 | 約2.5〜3.5% | 約40 | 配当の質を重視 |
| グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 | 2564 | 約4.0〜5.0% | 25 | 高利回りに特化 |
日本の高配当ETFの注意点
日本の高配当ETFは米国のETFと比べると、以下の点で課題があります。
- 純資産総額が小さく、流動性が低い銘柄がある
- 銘柄の入れ替え基準が単純な利回りランキングのものが多い
- 不動産セクターや金融セクターに偏る傾向がある
日本株で高配当投資をする場合は、ETFよりも個別銘柄を自分で選んでポートフォリオを組む方が柔軟性が高いという意見も多いです。
日本の高配当ETFは配当控除の適用が受けられない場合があります。個別株なら配当控除が使えるため、税金面では個別株の方が有利なケースがあります。税制面も含めて検討しましょう。
米国高配当ETFと日本高配当ETFの使い分け
米国と日本、どちらの高配当ETFを選ぶべきかは、投資目的やライフスタイルによって異なります。
| 比較項目 | 米国高配当ETF | 日本高配当ETF |
|---|---|---|
| 配当利回り | 3〜5% | 3〜5% |
| 配当回数 | 年4回(四半期) | 年2〜4回 |
| 為替リスク | あり | なし |
| 二重課税 | あり(外国税額控除で一部回収可) | なし |
| 増配傾向 | 強い | 改善傾向 |
| 商品の質 | 高い(選択肢豊富) | 発展途上 |
円建てで為替リスクを避けたいなら日本株ETF、増配力と商品の質を重視するなら米国ETFという使い分けが基本です。両方を組み合わせて通貨分散するのも賢い選択です。

高配当ETFのポートフォリオ例
初心者向けシンプルプラン
- VYM 100%(米国高配当のみ)
- 配当利回り目安:約3%
- 特徴:1本で約450銘柄に分散、管理が楽
バランス型プラン
- VYM 40% + HDV 20% + 日経高配当50(1489)40%
- 配当利回り目安:約3.5%
- 特徴:日米分散、為替リスクを軽減
高利回り追求プラン
- SPYD 40% + HDV 30% + VYM 30%
- 配当利回り目安:約4%
- 特徴:利回り最大化、ただし変動も大きい
高配当ETFを買う際の実践的なコツ
定期的に買い付ける
高配当ETFも一括購入よりも定期的に買い付ける方が、取得単価が平準化されてリスクが抑えられます。毎月決まった金額で購入するドルコスト平均法がおすすめです。
配当金は再投資する
受け取った配当金をそのまま使わず、同じETFを追加購入することで複利効果が生まれます。「配当金で配当を生む」サイクルが回り始めると、資産の成長速度が加速します。
NISA口座を活用する
配当金への課税を避けるために、NISA口座の活用は必須です。特に米国ETFの配当は米国での10%課税に加えて日本での20%課税がかかるため、日本側の課税をNISAで非課税にするメリットは非常に大きいです。

まとめ:高配当ETFで手軽に配当収入を手に入れよう
高配当ETFは、個別銘柄の分析が苦手な方でも手軽に配当収入を得られる優れた投資手段です。米国のVYM・HDV・SPYDはそれぞれ異なる特徴を持っており、目的に応じて選び分けることで、理想的な配当ポートフォリオを構築できます。
日本の高配当ETFも徐々に充実してきており、為替リスクを取りたくない方にとっては有力な選択肢です。米国と日本の両方を組み合わせれば、より堅牢な配当ポートフォリオが完成します。
ETFの詳細情報は日本取引所グループのETFページで確認できます。米国ETFの比較にはETF.comが便利です。高配当投資の基礎知識は日本証券業協会の「投資の時間」(www.jsda.or.jp・サイト終了)で学ぶことができます。


