株式投資を始めると避けて通れないのが税金の話です。「確定申告って難しそう…」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は多くの投資家は確定申告をしなくていいのです。特定口座(源泉徴収あり)やNISA口座を利用していれば、税金の計算や納付は自動で行われます。
この記事では、確定申告が必要なケース・不要なケース・実際のやり方まで、投資初心者の方にもわかるように丁寧に解説します。知っておくだけで数万円の節税になることもあるので、ぜひ最後まで読んでみてください。

確定申告が必要なケースと不要なケース
確定申告が不要なケース
- 特定口座(源泉徴収あり)を使っている:証券会社が自動で税金を計算・納付してくれるため、基本的に確定申告は不要です
- NISA口座での取引のみ:そもそも非課税なので確定申告の必要はありません
- 年間の利益が20万円以下(給与所得者の場合):申告不要の特例が適用されます
確定申告した方が得になるケース
以下のケースに当てはまる方は、確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性があります。
- 損失が出た場合:損失を翌年以降3年間繰り越せる(損失繰越控除)
- 複数の証券口座で損益がある場合:口座間の損益通算で税金が戻ることがある
- 配当金と売却損を通算したい場合:配当所得と譲渡損失の相殺ができる
- 外国税額控除を受けたい場合:海外株の配当で二重課税を回避できる
株式投資の税金の基本
まず税率を押さえておきましょう。
| 所得の種類 | 税率 | 内訳 |
|---|---|---|
| 売却益(譲渡所得) | 20.315% | 所得税15.315%+住民税5% |
| 配当金(配当所得) | 20.315% | 所得税15.315%+住民税5% |
利益の約2割が税金で持っていかれるということです。100万円の利益が出たら約20万円が税金になります。だからこそ、NISA口座を最大限活用することが重要なのです。
確定申告の具体的なやり方
準備するもの
- 年間取引報告書:証券会社から毎年1月に届きます。電子交付の場合はマイページからダウンロードできます
- 源泉徴収票:会社員の方は勤務先から受け取れます
- マイナンバーカード:e-Taxで電子申告する場合に必要です
申告の手順
- 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス:Webブラウザから無料で利用できます
- 申告方法を選択:e-Tax(マイナンバーカード方式)が最も手軽です
- 収入情報を入力:年間取引報告書の数字を転記するだけです
- 控除情報を入力:損失繰越などがあればここで入力します
- 申告書を送信:e-Taxならその場で完了します
慣れれば30分もかからない作業です。初回は1時間程度かかるかもしれませんが、画面の指示に従って入力するだけなので、思っているほど難しくありません。
損失繰越控除は絶対に活用しよう
損失繰越控除は、知らない人が多いのですが節税効果が非常に大きい制度です。
たとえば今年50万円の損失が出て、来年30万円の利益が出たとします。損失繰越控除をしていれば、来年の利益30万円は非課税になります(50万円のうち30万円を相殺)。これだけで約6万円の節税効果があります。
残りの20万円の損失は、さらに翌年以降に繰り越せます。最大3年間繰り越せるので、損失が出た年は絶対に確定申告しておきましょう。

損失繰越の注意点
- 損失が出た年だけでなく、翌年以降も毎年確定申告が必要です
- NISA口座の損失は繰越控除の対象外です
- 特定口座(源泉徴収あり)でも、損失繰越をするなら確定申告が必要です
配当金の確定申告
配当金の課税方法は3つから選べます。
| 方法 | 特徴 | 有利なケース |
|---|---|---|
| 申告不要(源泉徴収のみ) | 何もしなくていい | 手間をかけたくない人 |
| 総合課税で申告 | 給与所得と合算 | 課税所得330万円以下の人 |
| 申告分離課税で申告 | 他の所得と分離 | 売却損と通算したい人 |
課税所得が低い方は総合課税を選ぶと配当控除が使えて有利になります。ただし判断が難しい場合は、申告不要制度を選んでおけば問題ありません。
よくある間違いと対策
確定申告でよくある失敗パターンを紹介します。
特定口座なのに申告してしまう
特定口座(源泉徴収あり)の利益をわざわざ確定申告すると、合計所得が増えて配偶者控除や扶養控除に影響する場合があります。損益通算や損失繰越の目的がない限り、特定口座の利益はあえて申告しない方が良いケースが多いです。
損失繰越を途中でやめてしまう
損失繰越は、利益がない年も含めて毎年連続で確定申告する必要があります。1年でも途切れると、繰越が無効になってしまうので注意しましょう。
確定申告で困ったときの相談先
税金の計算に自信がない場合は、以下の方法で相談できます。
- 税務署の無料相談:確定申告の時期には相談員が丁寧に教えてくれます
- 証券会社のサポート:多くの証券会社が確定申告のサポートページを用意しています
- 税理士への相談:複雑なケースは専門家に頼るのが安心です

詳しくは国税庁の確定申告特集ページをご覧ください。確定申告書の作成は国税庁の確定申告書等作成コーナーから無料で行えます。株式投資の税制全般については日本証券業協会の投資情報ガイドがわかりやすくまとまっています。


