「ジュニアNISAが廃止されたけど、子どものためにどうやって投資を続ければいいの?」「子ども名義で非課税投資する方法はもうないの?」。ジュニアNISAの新規投資が終了したことで、子どもの将来のための資産形成に悩んでいる親御さんは少なくありません。
ジュニアNISAは新規の投資受付を終了しましたが、子どものための資産形成の方法はまだまだたくさんあります。親の新NISA口座を活用する方法、子ども名義の特定口座で投資する方法、学資保険やジュニア向けの積立サービスなど、目的に応じた選択肢を選ぶことが大切です。
この記事では、ジュニアNISAの代わりとなる具体的な方法を比較・解説します。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、お子さんの将来のために最適な資産形成の方法を見つけてください。

ジュニアNISAの廃止と現在の状況
まず、ジュニアNISAの現状を正確に把握しましょう。
ジュニアNISAの概要と廃止の経緯
ジュニアNISAは、0〜17歳の未成年者を対象とした少額投資非課税制度で、年間80万円まで非課税で投資できる仕組みでした。しかし、18歳まで原則引き出しができないという厳しい制約があり、利用者数が伸び悩んだことから、制度の廃止が決定しました。
既存の資産はどうなる?
既にジュニアNISAで保有している資産は、お子さんが18歳になるまで非課税で保有を続けられます。制度廃止後は、18歳になる前でもペナルティなく全額を引き出すことが可能になりました。この点はジュニアNISAの廃止に伴うメリットともいえます。
新NISAに未成年者向け枠はない
新NISA制度には未成年者が利用できる枠は設けられていません。新NISAを利用できるのは18歳以上の日本居住者のみです。つまり、子ども名義での非課税投資の手段は現時点では存在しないということになります。
ジュニアNISAの代わりになる方法5選
ジュニアNISAの代替手段として考えられる主な方法を紹介します。
方法1:親の新NISA口座を「子どものための枠」として活用する
最も手軽で効果的なのが、親自身の新NISA口座を使って子どものための資産を運用する方法です。新NISAの非課税保有限度額は1,800万円と大きいため、自分の老後資金と子どもの教育資金を分けて管理することも十分可能です。
例えば、つみたて投資枠で毎月5万円を自分の老後資金用に、さらに毎月3万円を子どもの教育資金用に積み立てるといった使い方ができます。必要な時に売却すれば非課税で現金化できるため、学資保険よりも柔軟性が高いです。
親のNISAを活用するメリット
- 非課税で運用できる(利益に税金がかからない)
- 売却すれば翌年に投資枠が復活する
- 投資信託なら100円から積立可能
- 子どもが18歳になるのを待つ必要がない
方法2:子ども名義の特定口座で投資する
証券会社によっては、未成年者名義の証券口座(特定口座)を開設できるところがあります。特定口座なら親権者が代理で取引を行い、子ども名義で投資信託や株式を保有できます。
ただし、特定口座は非課税ではなく、利益に対して約20%の税金がかかります。ジュニアNISAの非課税メリットはありませんが、子ども名義で資産を持たせたい場合の選択肢として有効です。
なお、未成年口座の開設にはお子さんのマイナンバーカードや健康保険証などの本人確認書類が必要です。証券会社ごとに対応状況が異なるため、事前に確認しましょう。
方法3:学資保険を活用する
学資保険は、子どもの教育資金を確保するための伝統的な方法です。毎月一定額の保険料を支払い、お子さんが進学するタイミングで学資金を受け取る仕組みです。
学資保険のメリットは「元本が保証されている(保険会社が破綻しない限り)」「契約者(親)が死亡した場合に保険料の支払いが免除される」という安心感です。一方で、返戻率は低く(100〜105%程度)、投資信託のようなリターンは期待できません。

方法4:子ども名義の銀行口座で定期預金・積立預金
最もシンプルな方法が、子ども名義の銀行口座にお金を貯めていく方法です。元本保証で安全性は高いですが、現在の金利水準では資産を「増やす」効果はほとんどありません。
ただし、お年玉やお祝い金を管理する口座としては実用的です。投資で増やす分と銀行で安全に貯める分を分けて管理するのも良い方法です。
方法5:子どもが18歳になったら新NISAを活用する
お子さんが18歳になれば、自分名義の新NISA口座を開設できます。それまでに投資の知識を身につけておけば、18歳から非課税で長期投資をスタートできます。18歳から毎月3万円をつみたて投資枠で積み立てれば、50年間で大きな資産を築くことが可能です。
子どもの金融リテラシーを育てる意味でも、「18歳になったら自分で投資を始める」という目標を共有しておくのは良いことです。
各方法の比較表
| 方法 | 非課税 | 名義 | リターン | 安全性 | 手軽さ |
|---|---|---|---|---|---|
| 親のNISA活用 | ○ | 親 | 高い | △(元本変動) | ◎ |
| 子の特定口座 | × | 子 | 高い | △(元本変動) | ○ |
| 学資保険 | 一部控除あり | 子 | 低い | ◎ | ○ |
| 銀行預金 | ほぼ非課税 | 子 | ほぼゼロ | ◎ | ◎ |
| 18歳で新NISA | ○ | 子 | 高い | △(元本変動) | ○ |

目的別のおすすめ組み合わせ
教育資金が目的の場合
教育資金を確保したい場合は、「親の新NISA(つみたて投資枠)」をメインにするのが効率的です。例えば、お子さんの大学入学まで15年あるなら、毎月2万円を全世界株式のインデックスファンドで積み立てるだけで、元本360万円+運用益で400〜500万円程度になることが期待できます(年利5%想定)。
ただし、投資には元本割れのリスクがあるため、入学が近づいてきたら(3〜5年前から)段階的に現金化しておくのが安全です。
子どもに資産を残したい場合
子ども名義で資産を残したい場合は、「子ども名義の特定口座」で長期投資するのがよいでしょう。子どもが18歳になったら特定口座の資産を売却し、新NISA口座に移し替えるという流れも検討できます。
安全性を最優先にしたい場合
元本割れのリスクを一切取りたくない場合は、学資保険や定期預金がベストです。リターンは低いですが、確実に資金を確保できる安心感があります。万が一の保障も欲しい方は学資保険が適しています。
贈与税に注意しよう
子どものための資産形成をする際に、忘れてはならないのが贈与税の問題です。
親から子どもへの資金移動は「贈与」に該当し、年間110万円を超える贈与には贈与税がかかります。子ども名義の口座にお金を入れる場合、年間110万円以内に収めるようにしましょう。ジュニアNISAは年間80万円が上限だったため贈与税の心配は少なかったですが、それ以外の方法で大きな金額を移す際には注意が必要です。
なお、親の新NISA口座で運用する場合は、資産の名義は親のままなので贈与の問題は発生しません。将来、子どもにお金を渡す時点で贈与が発生しますが、教育資金として必要な都度渡す分には贈与税の対象外となります。
子ども名義の口座に親が資金を入れる場合、実質的な管理者が親であっても「子どもへの贈与」とみなされるケースがあります。年間110万円の非課税枠を超えないよう注意しましょう。税金のことで不安な場合は、税理士に相談することをおすすめします。
子どもの金融教育も一緒に始めよう
ジュニアNISAの代わりを考えるこのタイミングは、子どもの金融教育を始める絶好の機会でもあります。
お小遣いの管理から始めて、貯金と投資の違い、お金が増える仕組みなどを年齢に応じて教えていくことで、将来自分で資産運用ができる大人に育てることができます。
例えば、お年玉の一部を「貯金」と「投資」に分けて管理し、投資に回した分がどう変動するかを一緒に見守るという体験は、教科書では学べない貴重な金融教育になります。

まとめ:ジュニアNISAがなくても子どもの資産形成はできる
ジュニアNISAの廃止は残念ですが、子どものための資産形成の手段がなくなったわけではありません。親の新NISA口座を活用する方法を軸に、子どもの年齢や家計の状況に応じた方法を組み合わせることで、効率的に教育資金や将来の資金を準備できます。
最もおすすめなのは、親の新NISAで非課税のメリットを活かしつつ、子ども名義の銀行口座にも安全資金を確保しておく「二本立て」の方法です。投資で増やしながら、確実に使えるお金も用意しておくことで、安心して教育資金を準備できます。
大切なのは、早く始めて長く続けること。子どもの成長とともに資産も育てていく、そんな長期視点での資産形成を今日から始めましょう。

新NISA制度の詳細は金融庁のNISA特設サイトで確認できます。子どもの金融教育に関する情報は金融広報中央委員会「知るぽると」が充実しています。教育資金の準備方法全般については生命保険文化センターのサイトも参考になります。


